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怪獣日記2008.@
怪獣“暴君(猫)竜 ”ティカノサウルス・レジーナ、今年で四歳。
流石に猫のフリも板についてきた。
*目次*
1.明けましておめでとうございます/2.最初の悪事/
3.竜(ティカノサウルス)の目の涙/4.実況・脱走阻止/5.邪魔。/
6.ニャンモナイトの作り方/7.母(えにし)の心、子(かいじゅう)知らず/
8.やっぱり豆が好き?/9.ジャングルーガーデンの夢/10.第2の悪事
年内の予定をこなしてなんとか無事に年も明け、怪獣の被害を懸念していたお飾りも無傷。めでたい!
めでたいついでに、今年の怪獣には名前どおり、『吉祥の印』としての本領を発揮してもらいたいもんである。
そうすれば唯の怪獣から瑞獣へと、一気にランクアップだ! 尻尾が割れるのはまだまだ先の事だから、修行中なんだろうけど。
実際はまだまだヘタレのティカにゃんは、今年も縁の外出に恨みがましい視線を向けて不貞寝している。
ナニよー、アンタにもちゃんとご馳走あげたでしょ?
星さんプレゼントの上等のドライフードと蒸しささみだぞ!
外出目的は去年と同じく、母と御節のトレードだ。
お煮しめは自分の分だけ作ったのでいつものようにがめ煮を持って行き、数の子と豆を貰った。
そこにスーパーで買った蒸し海老と蒲鉾、栗の甘露煮、ご近所さんからおすそ分けの昆布巻きを詰めたら、おお! なかなか体裁が整ったじゃないか。(うっかり写真を撮る前に箸をつけてしまったので、添付写真は在りません)
さらに近場在住の身内に年賀状を手配達しに行くと、姉が着物を着ている真っ最中。
義兄は早々から夜勤だというし、それならとウチにご招待したら姪っ子が体調を崩して臥せってるらしい。
そんなワケで、急遽晩御飯は姉宅でミニ新年会となった。
一旦帰ってまた外出のしたくをしていると、ご機嫌の傾いた怪獣に文句を言われる。
「にゃー!(ドコ行くのよう! 今、帰ってきたクセに)」
「スマンけど、あんたは留守番ね。お出かけ嫌いでしょ?」
姉のところには今、姪の保護したチビ猫が存る。とても会わせてみたいが、困った事に怪獣の嫌いな犬も存る。しかも二匹も。
そんな訳で人間だけ出かけ、夜10時を過ぎてから帰宅すると、やっぱり怪獣に怒られた。
「にゃー〜〜(ほら、やっぱり遅いー〜〜)」
しょうがないので、怪獣と二次会をした。
今度はささみジャーキーを出してやる……と……
ちゃんと食器に入れてやったのに、わざわざ持ち出して私の部屋で食べる。
(あー、一緒が良いのね?)
ガジガジと夢中で食べる怪獣。ジャーキーは長持ちするし、持ち出されても床が汚れなくて良い。
それにしても最初にやった時はごんごん音を立てて床にぶつけ、振り回しながら食べてたのに、随分と上手に食べれるようになっている。
怪獣も、ちゃんとそれなりに成長しているようである。
さて、お酒と肴が続くと、そろそろ甘いものが欲しくなってくる。
年賀状の返事用葉書も買い足したいのでコンビニへ行き、ついでに本屋で初立ち読みをした(笑)
そして帰ってきたら、怪獣が暴れていた。
ゴミ箱を倒し、収納してあったビニールの紐は長々と広げられている。紐はともかく、何故ゴミ箱を?!
それが夢中で紐にじゃれた結果か、最初っからゴミ目当てで倒したのかは謎だが。
判る事といえば……
解ったよ、遊べばいいんだな?!
今年も怪獣は強引ぐマイ・ウェイ。
いつでも胃袋絶好調の怪獣は、今日も時間外の食べ物を欲しがる。
朝はちゃんと貰ったクセにあまりにウルサイので、御節の残りの蒲鉾をやってみた。
怪獣は嬉しそうに自分用の鉢を覗き込んだが、すぐ縁の後を追い掛けて来る。
「……食べへんの?」
怪獣、無言。
食べないらしい。どうやら自分が欲しいものではなかったようだ。
だからといって、違うものをやったりはしない。
「ふーん、いいよ、じゃあ食べなくて。でも、今はそれしかあげないからねー」
言い置いて、年賀状の返事を書き始める。
終わって見ると、廊下に蒲鉾が放り出されている。ご丁寧に、齧った跡もあるのに。
(……気に入らんかったんやな?)
「おぜうさん、こーいうマネ、やめてんか?」
生や半生食品でこれをやられると、廊下が汚れて困る。
厳重注意をして葉書を出しに行き、帰宅してもやっぱり蒲鉾はそのままだ(まあ、当たり前だが)
にゃーにゃーうるさい怪獣に夕御飯の缶詰をあけ、人間も御飯の支度。早食いの怪獣は、作ってる間も出来てからもずっとうるさい。
「あんた、御飯食べたでしょうが!」
……いつもの事だが、本当にうるさい……
無視して食事を終えふと見ると、怪獣が涙を浮かべているではないか。
「?!」
こういう場合、つい慰めてしまうのが猫飼いというものである。
「どうしたん? そんなに構うて欲しかったん?」
たとえそれが、本当はただの反射に過ぎなくても。
……やはり構ってやれない事に罪悪感が在るのだろうか。人間(ヒト)幼児と同じく、『保護者が居ないと行動を制限される、不自由な身』に対して。
背を向けたその姿は、中々に哀愁を誘う。
(……ナ・マ・イ・キー……)
ケモノのクセに。
しかしどんなに訴えられても、おかーさんはアンタをブタにする気は無いからね!
干していた布団を取り込もうとすると、察した怪獣が玄関先に先回り。
最近というか、昨年末からまた『お外に行きたいよう症候群』が発病しているようだ。
そんな怪獣を抑えて、とりあえず出るには成功したが布団を抱えると当然、両手が塞がる。視界も不自由である。
そんな状況で、如何に怪獣の脱走を阻止するか?(足元をすり抜けるつもりなのは間違いない)
片手に布団を抱えなおし、ノブに手をかけ。
脚でガードしつつそーっとドアを開けると、予想通りドア前に張り付いている怪獣。
その顔の前に布団を塗り壁のように突き出し、ひるんだ隙に一気にドアを開ける!
怪獣が明るい方に身を翻す!
そこを塗り壁布団で進路を絶ち、手早くドアを閉める!
……勝った(笑)
布団の端が三和土(たたき)に着いて、少し汚れてしまったが。
しばらく落ち着いていたハズの怪獣が、この時期限定でその気になるのか、コールしている猫(コ)が気になるのかは微妙なトコロだ。気にしていてもコイツの事だから、縄張り問題だけの話かもしれないし。
なんにせよ、当分は布団干しのたび、攻防戦が続くだろう。ああ、めんどい(面倒くさい)……
昨年も進まなかった漫画原稿を進めねば、と、怪獣が寝ている隙に机に向かう。
しばらく良い調子で修正(そう、いきなり修正からだった)し、新しいコマに手をつける。よし、後一コマでこの頁は終わりだ!
その最後のシーンの構図がなかなか決まらず、原稿を前に考えていると、
「にゃー!」
「……(ちッ、起きたか)」
当然のように机に飛び乗って、『構って』コールを連発する怪獣。動くたびに
「暗いよ」ライトや
「見えない!」視界を遮るので、邪魔ったら、ない。
「ティー!」
「……」
怪獣は不満げにラックに移動し、箪笥に移動し……上のお飾りにちょっかいを掛け始めた。
「こら!」
何をやっても怒られる怪獣、不満増量中。
しかし尻尾がゆるん、とカーブしている。どうやら遊んで欲しいらしい。
「……(溜息)」
しょうがないので紐付き甚八君で猫釣りをする。
『遊んで』欲求が満々なので、怪獣は嬉しそうに駆け回り、飛びつき、反転ジャンプを披露してはしゃぐ。
こんなふうに派手に動いてくれると、人間のほうも楽しい。怪獣が休憩タイムに入るまで遊んでやると少し落ち着いて、毛繕いを始めた。
怪獣が自宅に引っ込んだのを見計らって、机に着く。
ライトを点け、乾燥した原稿を手に取ると
「にゃー」
「……」
寝てろよ、頼むから!
皆さんこんにちわ。今日は謎の化石、ニャンモナイトの作り方をご紹介しましょう。
1. まず、暖かい場所を用意します。
自分の膝の上に発生させたい場合は、暖かい場所に移動し、本体生物が乗っかってきやすい格好で座って待ちます。
リラックスして待つのがコツですが、本や新聞などを読みながら待つのが良いでしょう。
退屈も紛れますし、何よりニャンモの本体生物は、読書などの行為を邪魔するのが大層好きですから。
2. 首尾よく本体生物がやって来て膝に乗っても、焦ってはいけません。
彼らがリラックスして身体を丸めるまで、静かに待ちましょう。
3. 本体生物が丸くなったら、理想的な形になるまでじっと待ちます。
場合によっては大変長い時間がかかりますが、ひたすら待ちます。
注意:動くと形が崩れます
だから、ひたすらひたすら……
ほら崩れた。
今夜のおかずは秋刀魚の開き。冷凍していた干物を取り出すと、怪獣がすっ飛んでくる。
コイツは縁が台所に立つと大層ウルサイが、焼き魚の場合はレンジ周りで鳴き続ける。
「にゃー!(お魚だ!)」
「(レンジから)降りなさい! 熱いよ!」
というか、レンジの上で鳴かれたら火が点けられないじゃないか。
怪獣を排除してふと見ると、仕度で湿っていた手が猫毛だらけ。
「……」
流石に猫の毛入りの食事は食べたくない。
手を洗って再開、出来た御飯を食べていると今度はすぐそばに座って人の顔を見ながら鳴く。
「にゃー!(チョーダイ!)」
「アンタ、自分のお魚食べたでしょう!」
今日の缶詰は鰹。
「にゃー!(だって、それとは違うもん!)」
「ああ、ハイハイ。後で(骨を)あげるから」
「にゃー!(おかーさんだけ、ズルイ!)」
骨ぐらい食べたそばからやってもいいのでは、と思われるかもしれない。
でも塩干ものはダメ。そのままやると辛すぎるから。
だから頭も骨も、食べ終えた後で湯引きしてからやる。
腎炎にならないように。
「にゃー!」
母の心、子知らず。
文句タレの怪獣が機嫌よく食べ始めたので、写真を撮って日記を書き始める。
気配に振り返ると、部屋にアラを持ち込んで嬉しそうに食べている怪獣が。
「だから、そんなトコで喰うな―――ッ!!」
ビールのつまみにバタピー。
お皿を出すのが面倒くさかったので紙にあけてぽりぽりやってたら、怪獣の興味を惹いてしまった。
ふんふん匂いを嗅いだ後そのまま舐めそうな感じだったので、慌てて遠ざける。
「もーお、食べないクセに『欲しい』って言わないでよ」
どうせ食べないだろうケド、このままでは全滅(食べられない状態)にされてしまう。
しょうがないので、一粒だけ怪獣の目の前に置いてやる。
改めて匂いを嗅ぐ怪獣。
(そうそう、さっさと諦めて――)
怪獣、 舐め始めました。
(はいぃ??!)
ああ、本当に舐めてるよ。回収して食べるのはもう無理やな……いや、そうじゃなく。(笑)
夢中で舐めていた怪獣、満足したのか人の顔を見る。
「…なに? もうあげないよ」
「……」
なんとなく、目がまだ催促をしている。
「だーめ! そこにあるでしょう、まだ!」
「……」(←怪獣)
「……」(←縁)
……その時思った。
コイツ、まさか 塩気が欲しかっただけなのでわ。
(しまったあああ! マズイやん!)
これでは 干物のアラをわざわざ湯引きする意味がない。
「にゃー!」
「駄目! 絶対あげない!」
論争を打ち切るべく、すみやかに電気を消して就寝に入る。
怪獣も諦めて布団の上で丸くなった。
やれやれ。
因みに翌日、塩気の抜けたバタピーはちゃんと怪獣が食べていた。
……すると本当に気に入ったのだろうか……
猫砂が切れたので、ホームセンターに行った。
ついでに缶詰と消臭除菌液も買い足し、爪とぎ…は、自転車に積みきれないのでパス。
そこで帰りゃあいいものを、せっかく来たついでに苗ものを覘いてしまった。
縁は園芸者でもあるので、室内外で植物を育てている。
現在室内にはお手軽なパキラと根性者のヘデラ、おっとりした姫柊、気難し屋のゴールドクレストが居る。
ミニ観葉も雇用するのだが怪獣の琴線に触れるらしく、端から駄目にされてしまった。
そのミニ観葉が、一杯。
そんなワケで、新規雇用3名。
シペラスとテーブル椰子、ちっちゃい羊歯。
今回はバラバラに飾っているが、ミニ観葉を寄せ植えてジャングル・ガーデンを造るのが密かな野望だ。
しかし去年実行したら一週間も経たないうちに、回復不可能な荒野にされてしまった。
怪獣。フロンよりオゾンより、排気ガスよりも強力な、地球に優しくないヤツである。(昨年の『怪獣日記E』の48〜49参照)
今日も早速シペラスにちょっかいをかけていた。怒られたので、怪獣は今、ちょっと拗ねている。
冬の最中にネコムシ出現。被害者は新規雇用のシペラス。
ええ、予想通りです。
初日と翌日を無事切り抜けたので、大丈夫かと思ったのに。
甘かった。
しかしシペラスに興味が集中しているようで、本棚の2名は無事だ。
あっ、違う! 狙いやすい場所に有るから集中的に狙うのか!
ああ、今年も駄目なのか? 夢のジャングル・ガーデン。(T_T)