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怪獣日記2008.A
怪獣 “暴君(猫)竜” ティカノサウルス・レジーナ、今年で四歳。
女王様(レジーナ)だから、足元に平伏す臣下もいる。
*目次*
11.続・第2の悪事 / 12.続々・第2の悪事/13.性懲りもなく!/
14.節分だから/15.雪!/16.寒いから/17.またも雪/18.続・またも雪/
19.第3の悪事/20.第4の悪事
今日もネコムシ被害。
しかも引き抜いてるし!
「そんなに葉っぱが好きなら、それだけ食べてなさい! もう御飯あげない!」
きつく怒った後、罰として夕食を抜いてやった。
今、怪獣はしおらしく「ごめんなさい」の態度(ポーズ)を繰り返しているが、「お腹が空いたから、とりあえず謝っとこ〜」という可能性も否めないのが嫌だなあ…
私もとりあえず反省を認めて、夜食だけは出してやる。
本当〜に、もうやっちゃ駄目なんだからね?
帰宅したら、やっぱりシペラスが荒らされている。
(おーのーれー、昨日の今日で……)
まずは悪事の証拠写真を撮った。
「にゃー!(お腹空いたのー!)」
怪獣は自分の悪事を省みることなく餌を要求する。
「…知らんなあ。いらんやろ?」
「にゃー!」
「知・り・ま・せ・ん。葉っぱのほうがええんやろ? 葉っぱ、齧ってたらええやん」
追いすがる怪獣を、縁、無視しまくる。
すまん、シペラス。ヤツがまた行くかもしれんが、もう少し耐えてくれ。
果たして、現場の棚に飛び乗る怪獣。
「ティーい〜〜〜…?」
怒るぞ、と匂わせると降りはする。しかしまた上る。
そんな事を繰り返し、静かになったと思ったら、また根元から引き抜いていた。
「本っっ当に、言うても言うてもきかへんな!」
激怒した縁にどつかれた怪獣は、ようやくしくじった事が解ったらしく、逃げて隠れた。
今夜は本当に一晩ご飯を抜いてやる。
そう決心したので、時間がたって傍に寄って来ても無視。
「……なーう?……(ねえ、怒ってるー?)」
もちろんだ。
怪獣、哀しそうに猫毛布に丸くなる。
その後は流石にシペラスにちょっかいをかけなかった。そして縁が動くたび、見上げて短く鳴く。
明らかにご機嫌伺い。
その度に無残な姿のままのシペラスを見せ、
「誰がやったの?!」と怒る事を繰り返し、いつの間にやら夜半。
翌日の回収に備えてゴミ出しに出ると、喉も裂けよと泣き叫ぶ怪獣。
(あー、ウルサイ)
怪獣はゴミ出しの時いつも妙に悲壮な声で泣くが、今夜はまた。まるで閉め出された子供のようだ。
扉のすぐ側で泣いていた怪獣を促して入り、溜息気分。
ああもう、しょうがないなあ。シペラスを植え直しながら、怪獣に訊く。
「ちょっとは反省したん?!」
「なー」
「もう、絶対やったらあかんで? これだけ怒られても止めへんなら、ホンマにホンマに、御飯貰われへんよう、なるからな?」
夜中2時半過ぎ。ドライフードを20gだけ出してやった。
今回は流石に堪えた様だが、今後もちゃんと行動に反映して欲しい。
昨日一日おとなしくしてたと思ったら、今日はもうこの始末。
本っっ当に鶏頭なんだから……
コンビニでお面つきの福豆(ミニサイズ)を見つける。
見た途端、大きさが(あ、怪獣に丁度良い…)と思い、購入。
着けてみたら本当に丁度良いのだが、正面に掛けようとして無茶苦茶抵抗された。
しょうがないので後ろにズラしてみる。
怪獣はそれでも、とても気になるようでずっとカリカリ掻いている。
そこで豆登場。いつものように、
「福はー内―! 鬼もー内―!」と撒き始めると、怪獣は途端にお面の事など忘れ去って豆を追っ駆けまわる。
とても、面白い。
一通り撒いて食べ始めると、お約束で欲しがるし去年は食べていたので、一粒、目の前に出す。
ところが匂いを嗅いで舐めていた怪獣は、ふいっと離れてしまう。
おや。今年は要らないようだ。飽きたかな?
しかし他人が食べているのは気になる。
試しに砕いてやってみると、皮だけパリパリ音を立てて食べた。
そして寄って来て、無言で要求。
「……」(←怪獣)
「……」(←縁)
今年は結局、皮だけを食べた。
やっぱりコイツの好みはよく解らん。
珍しく天気予報どおりに、朝から雪が降った。
6時前後にはまだ雪のゆの字も無かったのに、12時前には2センチほど積もっている。
おお、久々の雪景色!
もちろん雪国から見たら鼻で笑われそうなくらいだが、大阪はあまり雪の降らない土地柄になってしまったので、このくらいでも妙に嬉しかったりする。(←子供かいッ)
で、怪獣には雪の記憶があまり無い。
新聞を取りに出ようとすると、察した怪獣が外に出せと騒ぐので反応を見たくなった。
実は密かにやってみたかったのだ、雪が降ったら。
積もった雪の上に「ほいっ」と怪獣を放り出すと、どんな反応を示すのか?
そこでリード引っ張り出すと、ソレを見るなりすっ飛んで逃げる怪獣。
……どうも、コレを着けて連れて行かれる場所はロクなトコじゃないと思っているようだ。
悪かったな! そりゃ病院とか他所の家とか、内弁慶のオマエにはろくな場所じゃないだろうとも。
それはともかく。
猫毛布に丸まった怪獣にリードを着けて、外に出ようとすると、果たしてにじにじとクネって嫌がる。
「何よー、お外だよ? 出たいんでしょう? いつも出たがるやん」
外はまだ、ボタン雪が降り続いている。
「ほーら、雪だよー?」
「にゃおーん! ぎゃおーん!(なんか、冷たいものがかかるよう! 嫌だよう!)」
人の頭によじ登って泣き叫び、帰りたがる怪獣。
「 ぎゃお――ん!!(お家帰る――!)」
虐待しているわけではありません(笑)
隣のマンションの入り口で、住人を尋ねてきた間に降り込められたらしい人が呆然と景色を眺めていたが、怪獣の泣き叫ぶ姿に笑っていた。
「はいはい、お家帰るのねー」
でも帰る前にやっぱり、
「えいっ、スタンプ!」
雪の上に放り出してみた。
「ぎゃおー――ん!」
重ねて言いますが、決して虐待しているわけではありません(爆)
やはり怪獣は、ヘタレのタレちゃん。
タレちゃんは、そそくさとストーブの前で身づくろいを始める。
(やーん、なんかぬれてるのー)
それからは一日、窓を開けても覘きはするが、決して出ようとはしなかった。
よほど嫌だったらしいが、どのへんが嫌だったんだろう。
連れ出されるのでなければ、また反応が違うのだろうか。
まあ、しばらくは思い出して外に出たがらずにいてくれると助かるな。
先日の雪以来、怪獣は極端に猫化している。
そして猫な彼女は、縁の膝を休憩用カウチに決めたらしい。
ストーブが点いていようといまいと。
たとえストーブのまん前に居ても。
特に縁が帰宅して夕御飯を貰った後は、断固として乗っかって、一眠りする事に決めたようだ。
そんな訳で、うっかり自分の夕食仕度の前に「とりあえず暖を採ろう」とストーブの前に座ると、食べ終えた怪獣に乗られて動けなくなってしまう。
……困った事に甘える猫というのは、やはり可愛いのである。
そして縁も暖かい。
しかしお腹は容赦なく減る。
空腹とほっこり和みの二者択一。
大概は限界まで我慢して、謝りながら立つ事になるのだが。
おかげで縁家の晩御飯はしばしば10時過ぎ。
従兄弟の結婚式で、雪の中を朝から田舎(故・祖父母宅)に向かう。
今日も積もってます。
いつもの駅もこの通り↓
防寒対策はしたつもりだったが、これはフェイントだった。
ウチの田舎は大阪とはいえ文字通り田舎(山間部)に有るから、きっと寒いだろう。
怪獣の御飯も丸一日分を出し(入れる端から猛然と食べていくのはお約束)たが、寒さ対策まではしなかった。
……まっ、ええか?(←ええんかい!)一晩だし。
「じゃあ行ってくるからね! お留守番よろしくね!」
こんな時、ベッドがあれば怪獣も潜り込んで暖をとれるのだろうけど。
早くもう一部屋余裕のある家に移れるといいね。
だからティカにゃんも、地道にでも瑞獣として働いて、おかーさんの財力に余裕を作って頂戴ね。
切にお願い
田舎はマジで寒かった。
バスを降りたらウォーキングシューズの足が、ぼそっと埋もれるくらい積もってたし。こんな日に田舎にいたのは、小学生の冬休み以来じゃなかろうか。
流石に怪獣の動向が気になったので、午前中、早々に帰る親戚を送る車に同乗して帰って来た。
山ではまだ陰とかに残っていた雪も、街まで出てくるとドコにも残ってない。
さほど差も無かろうに、標高とはエライもんである。
果たして怪獣は、寒い中一人で置いていかれてご機嫌斜め。
やたら匂いを嗅ぐのは知らない人間(親戚達)が気になるのか、ずっと縁にくっついていた知らない猫(三四ちゃん)が気になるのか。
ほぼ半日膝の上を占領して、ようやく落ち着いた。
それでもちょっと、まだ甘えん坊&拗ねっ子状態。
……ごめんよ。実は今夜、前の職場の同僚達と飲み会なんだよ。
また出かけると知ったら怒るだろうなあ。
でも明日は仕事だし、ちゃんと帰るから、今日は。ね?
同期の女の子が一人、早々に配属先が決まったというので昨夜は送別会を兼ねた飲み会だった。
で、気持ちよく就寝して起床しましたらば。
何故か散っている靴下。
……しかも、昨日履いていたのとは色が違うし。
という事は、これは洗って室内干ししてたヤツだ。
一抹の不安に駆られながら取り上げて見てみましたら。
なんと齧られて大穴が開いているではありませんか!
(わー、穴回りテカってるよ……猫の唾液ってテカるんか……ナメクジ痕みたいで嫌(ヤ)だ……)いや、それよりも。
まだ新しかったのに。
この寒いのに、ネコムシは元気だ。
食害対象はこのように、衣類も含まれるので、時に被害甚大。
朝ご飯を食べようとパンを袋から出したら、パンに大穴が開いていた。
因みに袋は無傷。
どうやら怪獣が食料置き場を探検中に、袋の上から踏んづけたと思われる。
残り3枚、全部穴開き。
食害じゃないからまだマシだけど、ホントにロクな事をしないなあ……