TOP>猫日記>怪獣日記2006




1:01.01.(日)


 

 新年である。年末は大掃除も含めてほとんど何も出来なかったが、お雑煮を作っておせちを肴に昼間から飲むと、やっぱり正月気分になる。
 年が明けても、ティカはやっぱり怪獣だ。そもそもこいつらに人間の暦なんか、意味があるまいし。
 そして人間の自分も特に晴れ着を着たりするかというと、そういう訳でもない。そういう訳じゃないが、怪獣にはお洒落させてみようかと思い、いつもの首輪を外して以前京都の河原町で買った、着物地製の紐を適当に切って首に結んでやった。
 似合う?  赤地に渋い色合いの花柄やオレンジ色の鹿の子柄が散っていて、とても可愛らしいやつである。これがなかなか好く似合って華やかなので、
 「おー、ティカちゃん可愛いねー、とっても別嬪さんだよ!」と褒めてやる。
 褒めてやったが、怪獣はあまり気に入らないようで、しきりに気にして首周りを掻く。まあ、慣れてないだけかもしれないが。因みに首輪に装着している名札は、こちらに移した。

 実際ウチの怪獣は大人しくしてさえいれば、まず間違いなく可愛いと褒めてもらえる。
 なのに、やんちゃとかお転婆を通り越して、怪獣。
 頭の中身がコドモだから、仕方ないのだが。
 因みに去年は五歳児レベルだった。
 今年はせめて、小学校入学児童くらいには成長してもらいたいもんである。



2:01.02.(月)



 今日は京都で初詣、その後大阪に出て友人宅で新年会。朝から出かけるので、夕食分も缶詰とカリカリを出して行く。
 しかし、予定とは狂うもの。
 新年二次回でオールのカラオケに雪崩れ込んでしまい、帰りは当然翌朝始発。新年早々……
 おかげで年末から引きずっていた少しダークな気分は完璧に払拭されたが、流石にカラオケ中も、怪獣の動向が気になった。
 何故なら、朝ごはんの用意はして来なかったから。
 「寂しがってるんじゃないか、とか悪さしてないか、とかじゃないんやな?」と一緒にオケに流れたM原に突っ込まれる。
 はい、その点は気にしてません。悪さはともかく。
 ティカは怪獣だけど、私が居ない時はひたすら寝てるから。私も別に、猫下僕じゃないし。
 それに、ちょっかい出されて困るものは、我家ではとっくに封印されている。

 ただ、「ご飯が無い〜!! おかーさん、帰って来ないー!」と暴れられたり、耐え切れずに変なモノを口にされる心配はあるかも。抗議行動されても今回は、文句言えないし……

 おとなしく待っててね、ティカにゃん。おかーさんのお願い。



3:01.03.(火)


 オケから帰宅。
 最初から分かっててオールでオケる時は、朝御飯も一緒に出して行くから全く心配ないのだが、今回は予定外だったから、さぞやお腹を空かせてることだろう。
 ドア前に立つと気配を察した怪獣が、ドアに体当たりしつつ、
「みゃうー、みゃうー!」と鳴く。ちょっと甘えた入ってるが、非難声。
「ごめん、ティカ! おかーさんが悪かった! すぐご飯あげるからね!」
 相手が猫でも、自分が悪いのでちゃんと謝る。
 反省したから、今日は一日甘えさせてやろう……と思いながら頭を撫でていて、オデコの左側、丁度目の上のトコロが赤くなっていて、傷も出来ているのに気付いた。
 ……そういえば、年末からよく掻いていたが……

 でも昨日までは別に、赤くもなってなかった!

 するとコレはストレス掻き?
 ただでさえ年末構ってもらえなかったところに、おかーさん、いきなり朝帰り。
 その所為?!
 ……
 すまん、ティカ。

 心から反省して、一日中ベタベタして過ごす。
 ティカもきっちり猫化して、ずっと膝に乗っていた。



4:01.10.(火)


 一週間経ったのに、怪獣のオデコは赤いまま。
 構って行動じゃなくて、皮膚炎だったのだろうか。それとも塗ってやった傷薬(人間用)にかぶれたのか? 人間には良く効く薬だけど、猫にはヤッパリキツかったんだろうか?!
 (しまった……)

 もう少し様子を見て、来週になってもまだ治らなかったら、病院行きだな。



5:01.16.(月)


 探検  パソコンで絵を描いていると、怪獣が退屈がって……というより、構って欲しがって邪魔をしに来る。
  今まではPC作業中はおとなしく寝ていて、シャットダウン操作に入った途端、
 「終わったの? ねえ終わったの? 遊ぶ?」
 とばかりに、側に寄って来て鳴いていたのに。なのに昨年末からは、
 「おかーさんは、コレ始めたら終わらない!」
 とでも認識したのか、マウスパッドの上に座り込むようになった。ご丁寧にマウスのコードまで敷き込んで。
  それでも私が止めないと、コードにじゃれたり噛んだりし始める始末。
  友人(ツレ)の星さんに愚痴ったら、「ネズミだし」と言われた。

 ちょっと休憩   確かに怪獣は猫種の竜(笑)らしく、ネズミのオモチャが好きだ。兎の毛で包んであって、手触りの良い小さいやつ。我家では『甚八君』(←ネズだから)と呼ばれている。
  そういえば、お年玉代わりにおろしてやった甚子ちゃん(色違い)は、とっくに何処かにやってしまっている。
  おとなしく一人(?)で遊んでもらおうと、新しい甚八君を出してやった。
  いつも思うのだが、姿を確認する前からそれと察してニャアニャアまとわりつくのは、何かにおいでも出てるのだろうか? もしかしたらマタタビとか、仕込んであるかもしれない(未確認)な。

  とりあえず、怪獣はゴキゲンで遊び始めた。



6:01.19.(木)


 オデコの傷が、ようやくキレイに治った。やれやれ。
 ヘンな皮膚病とかじゃなくて、本当に良かった。金もかかるが、なんといっても可哀相だし。せっかく可愛い顔をしてるんだから、可愛いままでいて欲しい。

 誰かがどこかで、
 『本人が自分の容貌に関心が無くても、美人や美形はその美しさを維持する義務が在るんだ』
 と書いてた気がするが、それはケモノにも言えるかもしれない。見ている分には、やはり眼に麗しい方が心が潤うから。

 それにしても、神経の細いヤツだ。
 怪獣のクセに……



7:01.28.(土)


 以前PC教室で友人になった、N波さんが遊びに来る。
 怪獣にとって初めてのお客さんの割に、緊張度が高くない。二人でPCをいじっていると、背中に両前足をかけて気を引こうとさえする。
 私相手なら、いつもの事だが……もしかして、間違ったのか?(笑)
 それともココしばらく、
 「土曜日はお客さんが来るからね。愛想よくするんだよ。『アンタ誰?』って言っちゃいけないんだよ?」
 と、重々言い続けたせいか。
 聞き分けたんなら立派なものだが、きっと偶然か、たまたま機嫌が良かったんだろう。



8:02.03.(金)


 サークル仲間のおーちゃん、来る。
 今年お初だが、目的はいつものように某歌手のおっかけだ。

 晩御飯を食べて帰ってから、二人で節分の豆まき。鬼は個人的に嫌いじゃないので、我家での口上は『福は内、鬼も内』だ。で、
 「貧乏神だけ外ッッ!!」

 いやホント、そろそろ職を確保しないと生活きついし。
 今月某日までに確保できれば、資金も確保出来るから、4月からのイラスト講習に通えるのに。

 怪獣は、思ったように走り回ったりはしなかったが、豆が気になる様子だった。



9:02.04.(土)


 ところで、おーちゃんは愛猫家だ。
 追っかけをしている間は当然、自分の猫に構えないので大概、猫飢餓状態になっている。
 で、ウチのを構おうとする。
 猫の方にも猫好きは判るらしく、彼女は初対面で、ウチの怪獣からがぶがぶと歓迎を(嬉しそうに)受けていたくらいだ。

 しかし今回は、彼女の『にゃんこLOVE〜!』状態が極まっていて、どうやらセクハラ一歩手前の不穏なオーラを出しまくっていたらしい。
 「構って欲しいけどー、今日のお姉ちゃん、コワイ……」
 とでも言いたげに、構って欲しい素振りはありありなのに、必要以上に近づこうとしない。
 夜寝る時も、いつもなら私と客の布団の間を行ったり来たりして、好きなところに潜り込む筈なのに、私の布団にさえ遠慮気味。
 朝、姿が見えないと思ったら、なんと押入れの中に入り込んで寝ていた。
 ……おかげで久々にゆっくり眠れはしたが(笑)

 日中も不機嫌。と言うより、怯えまくってるぞ、これは……

 おーちゃんは夕方、残念がりながら帰って行った。五月にまた来るそうだが、その時の勝負や如何に(爆)

 因みにお見送りから帰ってみると、怪獣はリラックスしまくっていた。
 あっそう、そんなに緊張してたの……

 一眠りした後は、無意味にくっついて甘えている。
 この月〜火は泊まりでお出かけ予定だというのに、この調子で、コイツ一人で留守番出来るんだろうか。とても不安だ……



10:02.06.(月)


 叔母と母に付き合って加賀まで一泊旅行に行くので、朝から起きて準備。
 今日はとても寒いが、まさか暖房を点けたまま出掛けるわけにもいかないので、布団は畳まずに置いていってやろうか、などと考える。
 が、本猫はどうでもよさげな様子なので、やはり片付ける事にした。タオルケットと上布団を畳んだところで怪獣がすっ飛んで来て、
 「あーっ、お布団無くなっちゃったー! 持ってっちゃ嫌――!」とでも言いたそうに、毛布の上で転げまわる。
 「……嫌なん? 置いとく?」
 「にゃー」
 へいへい、置いとくのね、と離れると怪獣も離れる。
 ……なんやねん、いったい!
 うっとおしいので、結局布団は片付けた。

 それから念のためトイレは二つ用意し、ご飯も一日と半分、余分に出す。夕方には帰宅予定だが、道路事情で遅くなる事を考慮して、これまた念のため大盛りにする……と、早速食べに来る怪獣。

 「ティカさん、これは明日の分も有るんだよ? 全部食べたら、もう無いんだよ? 解ってる?」
 返事なし。
 とりあえず自分も朝食にし、自分準備も確かめ、時間も確認して出発用意。トイレに行ったついでに餌皿を見たら、さっき出したご飯がもう、ほとんど無い。

 ……どないするんや、ホンマに。

 肥満防止と増長防止を兼ねて、ご飯はそのまま足さずに出かける。さて、どうなることやら。


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